FFF第5回大会の日程が発表された翌日、FTC初代ヘビー級王座決定トーナメントで準決勝に進出したサイレンス佐山が緊急記者会見を開いた。
その会見の中で、佐山が所属する「レッスル・クルセイダーズ」を離脱し、ドイツのプロレス団体と連携して新ユニット「チームPVB(ドイツ語読みでぺー・ファウ・ベー)」を結成すること、そして第5回大会にその新ユニット所属として、ドイツからレスラーが参戦することが発表された。
サイレンス佐山
えー、まずはお集まりいただき、ありがとうございます。
もったいつけても仕方がないので単刀直入に言うと、私、サイレンス佐山はレッスル・クルセイダーズを脱退します。
ああ、別に嫌になったとか、そういうのではないですよ。桑江さんとの付き合いも長いし、仲違いしたとかはありません。
ただね、旗揚げでトミーさんとやって、いまこうしてトーナメントやってるとね、欲が出てくると言うのかな? 物足りなくなっちゃったね。自分の立ち位置とか、環境とかに。
仮に、もちろん現実にするつもりですけど、仮に俺がトーナメントで優勝してベルトを巻いても、エースはやっぱりトミーさんだという認識は、覆らないんじゃないかと思います。それは今まで背負ってきたものとか、積み重ねがあってのものだから、そこに文句を言っても仕方がありませんよ。
…でもさ、面白くはないよな?
だから、俺はチームを離れる決意をしたんだ。もっと思い切りトミーたちとやり合えるように。だれがエースか分かりやすくするために。
本当は優勝して発表するつもりだったけど、あえてこのタイミングで発表させてもらいましたよ。不退転の決意と、トーナメントをもっと面白くするためにね。
…自分個人としての発表は以上です。
そう言って佐山は席を立ち、出入口へ向かった。
彼が扉を開けると、人影が二つ現れた。
一人は大柄な東洋人で、一人は国籍不明のマスクマンだ。
佐山は二人を連れ立って席に戻ると、再び口を開いた。
サイレンス佐山
サイレンス佐山のレッスル・クルセイダーズ脱退の記者会見は終わり。
今からはチームPVB結成の記者会見だ!
こっちのマスクマンはBorusse mohko。
ドイツでPVB(ペー・ファウ・ベー)というプロレス団体の代表をしている人だ。
元々はSNSでの知り合いだったけど、趣味も合ったし日本に来てもらう事にした。
今はちょっと怪我しているけど、もちろん、良いプロレスをするよ。
Borusse mohko
コンニチハ。Borusse mohkoです。
ワタシは日本のプロレスに憧れてプロレスを始めました。
今回、日本のFFFに参加できることは大変光栄に思っています。
もちろん、やるからにはテッペンを狙っていきます!
サイレンス佐山
もう一人は郷原剛。日本人だけど、PVBでプロレスやってる。
逆輸入レスラー、って事かな。
何か一言ある?
郷原剛
郷原剛です。日本は久しぶりですが、面白い試合を見せたいですね。
サイレンス佐山
真面目か。
実はもう一人、レスラーが来日しているけど、どんなレスラーかはまだ秘密。
ちょっと金に汚いけど、いい奴だよ。
という訳で、俺はレッスル・クルセイダーズは抜けるけど、こいつらとチームPVBを結成して戦っていく。
PVBはプロレスリング フェライン ボルシアの頭文字で、mohkoの団体の名前でもあるけど、チーム名としても使わせてもらう。
mohkoも言っていたけど、チームPVBでテッペンを狙っていく。
まずはトーナメントで優勝して、ベルトをいただくからな!
本日はお集まりいただき、ありがとうございました! じゃあな!