第十一試合「FTCヘビー級タッグタイトルマッチ」時間無制限1本勝負
【挑戦者】トミー・ロッカー&エルヴィス・ラモス vs フライングV&リカルド・キアッピーニ【王者】
試合後の出来事
トミーが3カウントを取られた直後、誰よりも早く駆け寄った男がいた。バトルロイヤルでラモスに敗れたサイレンス佐山だった。
佐山はトミーを助け起こし、マイクを手に取ってトミーへと語りかけた。
「トミー、いや、あえてこう呼ばせてもらう。トミー・タロー、単刀直入に言う。俺とタッグを組まないか?
バトルロイヤルでラモスと1対1になった時、アンタと組む未来が見えてしまった。…目の前が見えなくなって、結果はこの通りだがな。
この試合でアンタたちが勝てばこんな事を言うつもりはなかったが、どうしても一度思い描いた景色を実現したくなってしまった。だから、俺と組んでみないか?
一つ、これは俺のわがままだが、もし可能ならば、トミー・ロッカーではなく、トミー・タローと俺は組みたい。FFF旗揚げ当時の気持ちを思い出したいんだ。
Vさん、キアッピーニ、勝利に水を差すようなマイクで申し訳ない。ただ、自分を抑えられなかったんだ。
トミー、焦りはしないが、返答を待つ!」
トミー、v、キアッピーニと観客に一礼し、佐山はリングを後にしていった。
そして佐山が去った後の入場口では、完全に出番を奪われ、トミー襲撃の機会を逸した赤我武多亞が唖然として佇むのであった。
試合後コメント
トミー・ロッカー
負けた。またベルトには届かなかったか。うん、悔しいよ。
最後に佐山が声をかけてくれたよな? オレも、パートナーが決まる試合を控室のモニターで見てて、佐山とのタッグを少し想像してしまってたんだよ。
結果はラモス。もちろんラモスが佐山に比べて強いとか弱いとか、そういうことを言いたいんじゃない。
ただタッグとしては、流石についこないだまで敵対してバチバチやっていた相手と、祭とはいえタッグを組むっていうのはね。
そりゃプロだから連携技も出せたけど、最後の最後、信じ合う力、託す力っていうのには本物のタッグには叶わなかったね。
Vとリカルドの絆は見事だった。そして少し羨ましくもあった。
佐山の件、そしてロッカーズの件、ちょっと考えさせてくれ。
エルヴィス・ラモス
HAHAHA!
負けちまったな。肉薄したとは思ったが、おしいところだったな!
まあ、それはイイが佐山はどういうつもりなんだかな。面白くなれば、俺様は文句はないがな! 俺様にだけ挨拶が無かったのは気になるけどな!
HAHAHA!
フライングV
勝ちきったネ。ワタシタチは強い。改めてそれを示せただろう?
いくら強い相手でも、いくら劣勢だろうとワタシタチは諦めない。
そして最後は必ず勝つのさ。どちらがフォールをしたか、ギブアップを奪ったかなんて関係ない。
二人の勝利、そして二人のタイトル防衛なんだから。
トミーさんと佐山が動くなら、もちろん受けて立ちますよ。ワタシタチがチャンピオンなのですからネ。
リカルド・キアッピーニ
なんとか勝った。厳しい試合だったよ。チャンピオンとして即席のタッグチームに負けるわけにはいかなかったが、トミーもラモスもやはり実力者。こんなに厳しい試合になるとは。勝てて良かった。
そして、佐山さん。動き出したな。面白いですよ。もし、トミーとのタッグが成立したら次のチャレンジャーになるかもしれないですよね。ここからの動き楽しみにしています。もちろん、誰の挑戦でも受けます。僕とVさんのタッグはそう簡単には崩れないですよ。2022年の11月。そこでも僕たちがタイトルマッチをしますよ。
ありがとうございました!