先日、1.24の沖縄武道館大会の対戦カードが発表された。そのメインイベントとして組まれたのが、FTCジュニアのベルトを賭けた一戦。初代王者となったタカシ・コンドーにハブマスクが挑む･･･。そう、第一回Cyatan Mask-Man Festivalの最下位決定戦の再戦である。
その最下位決定戦では、ハブマスクがコンドーを破り、敗れたコンドーはマスクを脱いで素顔で戦うことになったのだが、その後コンドーはなんとCMF優勝者であるパーントゥHGに勝利し、初代王者に輝いたのであった。
そんな中、王者コンドーが度々コメントで口にしたのが、最下位を争ったハブへの想いであった。それはTHE BOW-SAWと琉球妖怪軍団の軍団抗争の中では納まらず、遂に今回のリベンジマッチへと繋がった。
あの最下位決定戦以降、終始無言でコメントを発していなかったハブマスク･･･。取材班はその謎めいたハブマスクの真意を探るべく、彼が短期トレーニングで戻っている、故郷のイギリス・リヴァプールへと向かった。
世界遺産にも認定されている、音楽とサッカーの街、リヴァプール。かつてはビートルズがこの街から世界を席巻し、また今は復活したサッカーチームが世界を再び席巻しようとしている。その街の片隅に、MMA（総合格闘技）のジムがあるが、そこにハブマスクの姿があった。そして我々は、遂にハブマスクのインタビューに成功したのだった。
何故イギリスに？
自身に迷いが生じたとき、原点であるこのジムで汗を流すというのがオレのポリシー。だから今、オレはここに居る。
コンドーとのタイトル戦が組まれたが？
･･･。ベルトは、獲る。それだけだ。
本当にそれだけ？ コンドーはあなたに色々とコメントしている。
コンドーが何を言っているかは、聞いている。ただあくまでオレはオレ。オレのために、オレは戦う。
CMF最下位決定戦のリベンジマッチとなったが？
あの試合は、もう思い出すつもりはない。コンドーとの戦いで何かを感じたかって? さあ、どうだかね。
しかしあの試合、いつものファイトスタイルと違うように見えた
どういうファイトだろうと、その瞬間にオレがしたいというファイトをするだけなんだ。それがたまたま違って見えたんだろう。
あくまでもあなたは何も変わらない、ということですね
ああ。それは今に限ったことではない。オレはいつもそうだ、オレはオレなんだよ。
･･･わかりました。では最後にタイトル戦への意気込みを聞かせてください。
特別に、何も言うことはない。オレにとってその時点でベストのファイトをする、それだけだ。ただ･･･
ただ･･･？
コンドーの決意には、敬意を示しているよ。誇りあるイギリス人として、ね。
なるほど。
オレはマスクマンに誇りを持っている。それはこの街が、あのレジェンド、獣神サンダーライガーを生んだ街、ということもあるだろう。その誇りを背負って、戦うさ。
インタビュー中もなかなか本音を話さなかったハブマスク。しかし最後に少しだけ、彼の真意に触れた気がした。
インタビューを終えジムを後にしようとした我々を見送るように、ハブマスクの激しいトレーニングとスパーによる音が、ジム内に鳴り響いていた･･･。
