月刊ストロング3月号①
本誌はFFF2.17大会であっさりとタカシ・コンドーに敗れ、それ以降姿を消していた新倉が長野の山中で目撃されたという情報をつかみ、その消息を追った。
そして新倉の足取りを求め数日、ついに山籠り中の新倉との接触に成功し、独占取材を行った。
記者
インタビューよろしくお願いします。さっそくですけど前回の試合はやけにあっさり負けてしまいましたが、今回の山籠りは次回大会の対コンドー選手に向けての特訓ということでよろしいですか?
新倉
むむ…失礼な奴だな…。前回はコンディションを崩していただけだ。言い訳はしたくないけど、軽い食中毒でね。あの日は力が出なかったんだよ!そうでなければ俺が負けるか!まぁ対コンドーのための特訓というのはその通りだ。
記者
コンディションが良ければ負けなかったとおっしゃいますが、ファンの間では次の試合が組まれたとしても新倉選手ではコンドー選手の肩固めを受け切れないし勝てないという意見が多いようです。もともと総合系の技は苦手ですよね?相手が悪いのでは?
新倉
むむ…本当に遠慮の無い奴だな…。そのためにトレーニングをしている。今回の山籠りでイノシシを相手にギリギリの緊張感の中での闘いのカンを養ったんだよ!俺の「妙典の赤い雨」もさらに鋭さを増したはずだ。もうコンドーにビンタ呼ばわりさせるつもりはないし、負けるつもりもない!
記者
では、次回の大会は前回の試合とは一味違うということですね?
新倉
無論だ。イノシシすらノックアウトする俺のチョップを侮ってもらっては困る。それに前回の試合では成果を見せられなかったがグラウンドでの攻防でもコンドーの奴と渡り合えるはずだ。
記者
あの…少し話がそれるかもしれませんが…今って令和ですよね?山籠りで地獄の特訓とか野獣と闘うとか古くないですか?
新倉
馬鹿者!昔から大事な試合前の地獄の特訓は山籠りって決まっているんだよ!時代なんか関係あるか!気持ちが大事なんだよ!だから最近のレスラーは技は派手でも魂がこもっていないプロレスするんだよ!
記者
いやいやいや、技ってレスラーの表現手段じゃないですか?派手で見栄えの良い方が客も盛り上がるし、気持ちも伝わると思いますけど?
新倉
そういう面が無いとは言わないが、本物はそんなものを超越しているんだよ!そして俺たち血盟軍はその本物を目指している。今度の試合でそれを観せてやる。
そうそう、おまえは俺が技が少ないって思っているみたいだけど、俺は対コンドー用のニューホールドを完成させたぞ。今度の大会楽しみにしているんだな。
記者
それはいい話を聞きました。次回の試合楽しみにしてます。インタビューして頂きありがとうございました。
対コンドーに執念を燃やし山籠りしトレーニングに励む新倉。果たして今度こそ新倉とコンドーは完全決着を迎えられるのだろうか?