2021年1月5日、新宿区・目白のFFF事務所にて、代表の桑江の挨拶と、2020年度の「FFFプロレス大賞」の発表が行われた。
まずは桑江の挨拶(インタビュー)からお伝えしよう。
FFF代表:獣神ダンディー・桑江リョウ
皆さん、明けましておめでとうございます。激動の2020年を何とか乗り越え、こうして新年の挨拶が出来ていることに、まずは感謝したいと思います。
FFFでは3月の大会を無観客試合として開催しましたが、緊急事態宣言のあと4月と5月は活動を休止。そして6月に再開したあと、7月にはトーナメントの形で第二回のCMFを開催しました。
大会開催においてはしっかりと自主ルールを定めてそれを遵守しつつ、初のオンライン配信も行うなど、大会運営においては多くのスタッフが頑張ってくれました。
これまでとは全く違う状況の中で、我々が出来ることは、会場で安全に試合を見て貰える環境、会場に来れなくても試合を楽しんでもらえる環境を作ることでした。
そういった意味では、とても意義のあった一年だったと思います。改めて、スタッフの皆さん、ファンの皆さん、そして何より不安の中でしっかりと体を維持して激しい戦いを見せてくれた選手たちにも、感謝したいと思います。
さて2021年。気持ちを新たにと言いたかったところですが、緊急事態宣言が再度発令されてしまいます。その中で今月の大会について開催すべきかは今後の状況を見て判断にはなりますが、それはまた皆さんにお伝えするとして、まずは激動の2020年を戦った選手たちを讃えるため、「FFFプロレス大賞」を発表させてもらいたいと思います。
今回も私の独断と偏見で選んだわけですが、大賞とベストバウトについては、解説でも御馴染みの方々の投票で選ばせてもらいました。
それではどうぞ。
■FFFプロレス大賞:パーントゥHG(琉球妖怪軍団)
まずは大賞。つまり2020年のFFFの顔、ですね。この賞は意見がだいぶ分かれました。前回受賞の佐山が文句なしだったとすれば、2020年は群雄割拠だったとも言えるでしょう。
そんな中でもパーントゥHGは、CMFの二連覇という「ジュニアの顔」「FFF真夏の顔」として、活動再開後のFFFを大きく盛り上げてくれました。
残念ながらベルトは同胞であるキジムナーに譲ってしまったわけですが、年内最後の大会ではしっかりとシングルで勝ち切り、一年を締めくくったと言えるでしょう。
果たして2021年は三連覇なるのか、そしてベルトを獲得できるのか。注目したいと思います。
なお、その他の候補として挙がっていたのが二名。まずは昨年に引き続きサイレンス佐山。昨年の最後こそ連敗で王座陥落となりましたが、それまではずっとエースとしての存在感を示してくれていました。そしてもう一名であるBorusse Mohkoは、その佐山の陰に隠れていたかもしれませんが、2019年に引き続き「黄色い壁」としてベルトへの挑戦者にとっての高すぎる壁として君臨していました。ある意味FFFヘビーで最強の二人なのかもしれません。そんな二人のタッグでも敗れることがある。それがプロレスの醍醐味ではないでしょうか。
■FFFベストバウト:サイレンス佐山 vs フリッツ・ユンター(11・20 沖縄県立武道館)
絶対王者として一年半の間君臨してきた佐山が遂に王座陥落となった試合は、大盛況だったFFF2周年大会のラストを飾るに相応しい熱戦でした。
その試合内容はどちらが勝ってもおかしくない接戦で、事実、最終盤で佐山が繰り出した必殺のシュヴァルツゲルベン・エルボードロップが決まった時には佐山の防衛を会場中が確信しかけました。そこから盛り返したユンターの底力に驚くと共に、今のFFFヘビーの最高峰の試合として、多くのファンに感動を与えてくれた一戦だと思います。
果たして2021年はその熱戦を越える試合が繰り広げられるのか!? 期待は尽きません。
■FFF最優秀タッグ:フライングV&リカルド・キアッピーニ(Rycom-Club)
初代FTCヘビー級のタッグタイトルを賭けたトーナメントで見事に優勝を果たし、また難敵相手に初防衛した二人のタッグで間違いないでしょう。
ベテランのVと若いキアッピーニのコンビは想像以上にバランスが良く、うまく補完し合いながらお互いの持ち味を最大限活かせているのではないでしょうか。
苦しい展開であってもしっかりと勝ち切る二人には、ジュニアタッグとは違い長期政権を築く可能性が十分あると考えます。
受賞コメント
リカルド・キアッピーニ
「最優秀タッグをもらえたのはVさんの存在がやはり大きいです。あんなに自由に戦わせてもらっているのにタイトルを取れたのはVさんの上手さが無ければ無理でした。そして、「強さ」と「精神力」。毎回勉強させてもらってます。この賞はVさんが受賞したと僕は思います。でも、嬉しいです。ありがとうございます!」
■FFF最優秀マスクマン:フリッツ・ユンター(Bautismo)
マスクマンだからといってジュニアではないところがFFFの良さですかね?(笑) ことしの最優秀マスクマンは、絶対王者の佐山を破り第2代FTCヘビー級王者となったユンターでしょう。
2019年の6月にFFFのリングに参戦したユンターは、パワーとスピードを兼ね備え、また終始冷静な試合運びが出来る選手で、参戦当初から注目されていたものの、一躍スターダムにのし上がったのがベルトへの挑戦権を賭けて戦ったバトルロイヤル。5人のうち4人を一人でなぎ倒して挑戦権を獲得し、そして今回ベストバウトにも選ばれたタイトル戦で佐山に勝利。
2021年は早速花見川とのタイトル防衛戦となりますが、佐山との戦いで見せた最高峰の試合を一年を通してまた見せてくれることを期待しています。
受賞コメント
…ダンケ。ベルトを取ッタダケデハ真ノ王者デハナイ。防衛シテコソノ王者。マズハ、ハナミガワヲ倒ス!
■FFF特別賞(MIP=Most Impressive Player):花見川幸一(THE BOW-SAW)
花見川の2020年初戦は、実は王者佐山とのタッグ対決からスタートしました。当時最強と言われた佐山&Mohkoのタッグに、ダグラスと共に挑んで勝利。そしてその後はBOW-SAWの中で一人で気を吐き、Bautismo征伐に乗り出すとシングル3連勝。そして年内最終戦は、同じくダグラスとのコンビで新王者であるユンター組に勝利するという一年。正に最も印象的だったレスラーと言えるでしょう。
新年の初戦はいよいよタイトル挑戦。もしも勝つことが出来れば、2021年のプロレス大賞を狙えるかもしれません。
受賞コメント
去年の敢闘賞と特別賞、ま、もらえるもんは何でももらっとくぜ(笑)
2021年は何が何でもベルトを巻いて大賞とベストバウトをいただくからなっ!!
なんならダグラスと最優秀タッグと...残すはマスクか...(笑)
■FFF殊勲賞:ハブ・ロッカー(デス・ロッカーズ)
殊勲賞は、金星を挙げるなど、ここぞの時に結果を出した選手に贈られる賞。2020年にその賞に相応しい選手と言えば、さすらいのレスラー、ハブ・ロッカーでしょう。
くすぶり続けた期間を経て心機一転、デス・ロッカーズ入りをして琉球妖怪軍団と決別。
そしてその因縁の相手であるキジムナーに勝利して第3代FTCジュニア王者に輝くと、妖怪軍団のリーダーであるマジムン相手に防衛に成功。
元々強いと言われていたにもかかわらず初回のCMFではまさかの最下位決定戦へと進み、コンドー相手に辛くも勝利。そしてベルトへの挑戦は失敗。
そんな「勝負弱い」イメージを払しょくするような、2020年後半の活躍は、殊勲賞に相応しいと言えるのではないでしょうか。
果たして2021年はシングルのベルトを防衛し続けられるのか。またタッグベルトとの2冠を狙うのか?
デス・ロッカーズとしての戦線が拡大する中で、ハブの存在は不気味であり、また大きいと感じています。
■FFF敢闘賞:ザ・グレート千葉(THE BOW-SAW)
敢闘精神あふれるファイトを見せてくれた選手に贈られる敢闘賞は、二年連続でBOW-SAWから選ばれました。今回は千葉が受賞となります。
千葉は色々と悩んだ時期を経て6月のバトルロイヤルで見事な勝利を挙げた後、ヘリオスや津波との共闘でのデスロッカーズとの抗争では大きな存在感を発揮。
これまでの千葉のファイトスタイルとは違い、感情をむき出しにしてロッカーズに挑んでいく姿は、正に敢闘賞と言えるでしょう。
新たな一面を魅力に変えた千葉が、2021年はどのような戦いを魅せてくれるのか。楽しみです。
■FFF技能賞:Borusse Mohko(チームPVB)
優れた技能を持っている選手に贈られる技能賞は、プロレス大賞でも候補に挙がっていたMohkoでしょう。
何と言っても「黄色い壁」として、タイトル挑戦を悉く潰してきた凄みは、2020年も健在でした。
タッグでは不覚を取ることもあったものの、その圧倒的な技巧と最終盤に繰り出される必殺の「黄色い壁」の美しさは、技能賞に輝いてこそだと思います。
盟友の佐山が王座陥落となった2021年は、彼が満を持してタイトル挑戦をしてもおかしくないでしょう。
そういった意味では、2021年のヘビー級戦線において最も注目すべき選手かもしれません。
受賞コメント
アリガトウゴザイマス! デスガ、ベルトを持っていないと、嬉しさも半減デスネ! 今年はベルトを狙ってイキマス!
■FFFベストやなわらばー:エルヴィス・ラモス(Bautismo)、サトシ・ジェット=バーンスタイン(デス・ロッカーズ)
FFFで最も大暴れしたワル(ヒール、沖縄方言で"やなわらばー"=いたずらっこ)に贈られる賞であるこの賞は、前回は該当なしでした。
しかし今回は二人、選ばれています。ラモスとサトシ。どちらも新ユニットを結成してはFFFのリングを荒らした二人です。
しかもその新ユニットであるBautismoもデス・ロッカーズも、どちらも既にベルトを奪取しているんですね。そして各ユニット、各レスラーとの因縁も勃発しまくっています。
そういう意味では、正に二人とも”やなわらばー”に相応しいのではないでしょうか。
今年はその二つのユニットがベルトを賭けて激突する可能性もありますし、何より二人のシングルが見たい。そう思わせる2020年の活躍でした。
受賞コメント
エルヴィス・ラモス
HAHAHA!
何だか知らないが、賞を貰ったようだな。ありがたく貰っておくぜ、いらないがな! 俺様が欲しいのは観客の歓声だけだ。その点じゃ、去年はちょいと物足りなかったな! 満員の観客がいてこその俺様たちBautismoだ! そのために、手洗いうがい、マスク着用、家で大人しくしてな! なあに、一時のことだ。世の中が落ち着かないことには、俺様たちも本気でふざけられねえからな! わかったな?
HAHAH!
■FFFベストヤングシーサー:リカルド・キアッピーニ(Rycom-Club)
FFFの若手であるヤングシーサーの中で最も輝いたのは、二年連続でリカルド・キアッピーニとなりました。
フライングVとのコンビで初代FTCヘビーのタッグベルトを獲得し、ヤングシーサーとして初戴冠。
そしてデスマッチではあの花見川に勝利するなど、今やヤングシーサーとしてではなく一人のプロレスラーとしてFFFのリングで存在感を発揮してくれました。
■FFFちばりよ~賞:TAKETO(レッスル・クルセイダーズ)
翌年に向けて奨励したい、つまり頑張って欲しい選手に贈られる”ちばりよ~(沖縄方言で頑張れ!)”賞。今回はTAKETOさんに贈りたいと思います。要は今年の”エール”ということですね。
私(桑江)とナルさん、コンドーさんとあわせて”沼南四天王”と一部では言われている一人ですが、初代ジュニア王者のコンドーさん、マッチメイクを取り仕切りつつc.d.s.をまとめるナルさん、そして何だかんだベルト挑戦の惜しい所まで行った私と比較すると、どうしてもインパクトに欠けると言わざるを得ません。
同じチームメイトとしても、より一層の活躍をして欲しい。そんな気持ちでいっぱいです。
TAKETOがいいのかTAKETO・MANがいいのか、という問題はまだありますが、TAKETOさんらしさを前面に出しつつ、是非最前線に躍り出て欲しいと思っています。
というわけで、2020年度のFFF各種プロレス賞の発表は以上となります。
今年も熱い戦いを、どうぞご期待ください。まずは初戦、何とか今月の開催をギリギリまで調整します。続報をお待ちください!