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【SPECIALインタビュー】ザ・グレート千葉 ~con.room代表 近藤崇が聞く~

まだ寒さの残る3月、千葉が母校に戻ってトレーニングをしている噂を聞きつけ訪ねてみることにした。

千葉市内の某大学所属の学生プロレス団体練習場に彼はいた。若い学生と一緒に汗を流し、練習場にはシューズの小気味いい音と、時々リングに倒れこむ衝撃音だけが響いている。

ひと息ついた千葉はこちらと目が合い、にこやかに近づいてきた。

 

 

近藤(con.room代表)

お久しぶりです。あの日以来ですね。

ザ・グレート千葉

2.22…あの日レスラーとして一回死んだ気分だよ。カラダはピンピンしてるけど笑

近藤(con.room代表)

少し振り返ってもらえますか?

ザ・グレート千葉

…そうだな、トーナメントの初戦に向けてオルカとトレーニングしてる中、やっぱり背負うもののデカさに気付いて…月並みに言うと緊張ってやつかもしれないな。オルカの成長は目を見張るようで、オレはどこまでいけるのか?そればっかり自問自答して当日を迎えちまった。で、集中しようとしてたところにオルカの勝利さ。正直、足が震えてた…。

...そして結局何もできなかった。もちろん佐山は強い!ただそれ以上に自分に負けた…だから佐山にも申し訳ないことをしたと思っている。あの時はそんなことを考える余裕もなく、会場を飛び出してたんだ。

近藤(con.room代表)

で、母校に戻った、と。コンドー以下、THE BOW-SAWのメンバーと連絡は?

ザ・グレート千葉

直後に心配してくれた恩師から連絡が入って、身を引き受けてくれたんだ。

…会ってはないけど、コンドーと話はした。エースを自認するオレがこんなことになってすまない、と。それでも彼は待つ!と言ってくれたんだ。旗揚げからここまでトントン拍子で来てたオレたちへの試練だから、ゆっくり考えろ!と。涙が出たよ笑

オルカとは何も話してないが、今はひとりのレスラーとして上にいってほしいと素直に思える。師匠なんておこがましい立場にはもうなれないから。

近藤(con.room代表)

少し精悍になりました?それに胸の傷。

ザ・グレート千葉

対トミーってのを意識しすぎてたから、あの頃はひたすらパンプアップしてた。でも、ふと気付いたんだ、自分のプロレス、武藤敬司、ムタ。「鋭さ」こそがオレのプロレスなんだ!って。

…ああ、コレ。オルカとトレーニングしてた時に。トーナメントで出す技を編み出してる最中、オルカと鉢合わせで。結果、ヤツのいいトレーニングになってこっちは技も習得できずに笑 …ただこのケガのせいで負けた、なんてのは絶対にゴメンだから特に言わなかった。

近藤(con.room代表)

…で新技は?

ザ・グレート千葉

学生時代に戻って、この練習場のトレーニングに打ち込んでたらいろんなことが見えてきた。何もリセットするわけじゃない、生まれ変わるわけでもない、前向きに考えて若いヤツらと練習に打ち込んでたら光明が見えた!

だから次回の沖縄には必ず戻る!そこでお披露目したいとは思うよ。

 

というと足早に練習に戻っていく千葉。

練習場には千葉を心配して聞きつけたのか、ファンと思われる女性たちも。そんな目線を気にせず、マットの上で新技開発と思われるトレーニングに打ち込む、少しシャープになった千葉の姿を見届けて私は大学を後にした。